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ALPS BOOK CAMP出店の記録と記憶:本屋=「本と出会う場所」のこれから

8/5(金)〜8/7(日)まで、長野県の木崎湖キャンプ場にて開催されたALPS BOOK CAMPに出店してきましたので、そのご報告です。

via 栞日

臨時の本屋ユニット「YADOKARIと三輪舎」

そもそもALPS BOOK CAMPは長野県松本市深志に構える本屋「栞日」さんが主催する「本を愉しむフェスティバル」です。今回で三年目ですが、お恥ずかしながら私はこのイベントのことを何も知りませんでした。こんなに素晴らしいお祭りだってのに…。

via 栞日

このイベントには、全国各地からたくさんの本屋さんが出店のために来場します。ツルハシブックスさん(新潟)、BOOK f3さん(新潟)、オヨヨ書林さん(石川)、マヤルカ古書店さん(京都)、SNOW SHOVELINGさん(東京)、そして私が店番をしている三田商店の移動式本屋さん、BOOK TRUCK(横浜)も出店しております。

 

このイベントへの出店は事前申込制ではなく、栞日さんによるキュレーション制です。それによって、全体の統一感が維持され、お客さんにとって満足度の高いイベントになるわけです。

三輪舎は出版社ですが、YADOKARI著『未来住まい方会議』を栞日さんで取り扱いをしていただいたことがきっかけで出店のお誘いをいただきました。ちょうど『月極本』で取引のあったYADOKARIも出店の誘いがあったことから、じゃあ共同で出店しようということになって、「YADOKARIと三輪舎」という団体として参加することになったわけです。

 

「ひとり出版社」の本だけで選書する

とはいうものの、三輪舎の刊行書籍はたったの三点。YADOKARIの『月極本』1号、2号と合わせても、たったの5点しかありません。そこでとった手段は、弊社が参加するトランスビュー取引代行を利用している出版社さん、そして三輪舎創業以来お世話になっている夏葉社さんと、夏葉社さんつながりで最近つながることのできた小さい書房さんの刊行書籍から選書することにしました。

「YADOKARIと三輪舎」ブース 5

「YADOKARIと三輪舎」ブース 1

三輪舎の書籍は暮らし、とくに子育てをテーマにしていますので、それに関する本を中心に選書しました。

子育てでは、『父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない。』の近くに、夏葉社さんの『小さなユリと』『親子の時間』を配置し、トランスビューさんの『父が子に語る日本史』『父が子に語る近現代史』を陳列。

それに、せっかく本を愉しむためのイベントですので「本屋」というテーマで、ころからさんの『離島の本屋』、夏葉社さんの新刊『移動図書館ひまわり号』、同じく『ガケ書房の頃』、苦楽堂さんの『海の本屋の話』。また、子どもたちのために、堀之内出版さんの『ウラオモテヤマネコ』、キーステージ21さん『さいごのぞう』、アリエスブックスさんの『鳥たちは空を飛ぶ』、おなじく『みあれ祭の日に』、小さい書房さんの『青のない国』『二番目の悪者』、そして私の好きな『歩くはやさで』。『未来住まい方会議』に関連して、ワークスタイルマガジン『HOWLAND』。その他、共和国さんの『狂喜の読み屋』『食べること考えること』、サウダージ・ブックスさんの『生きるためのサッカー』などなど…。

一度やってみたかったんです、自分の付き合いのある出版社だけで棚を作ることを。さすがに何スパンも作ることは難しいですが、やってみると以外にできるものですね。何しろ自分の知っているひとが作った本ですから、おすすめしやすいし、こんな本ですって声をかけるところからお客さんとのコミュニケーションが生まれるんです。

今から10年前の2006年のこと、私は六本木の本屋さんでアートブックの担当をしていました。その経験で、本を選ぶこと、本を売ることの魅力に開眼してしまったのですが、まさか10年後の自分が長野の湖畔で同じことをしているとは。

本屋=「本と出会う場所」のこれから

出店してみて思ったのは、本を売る=買うハードルはこうすれば下がるんだなと思いました。キャンプ場・湖畔・超田舎という本・本屋とは無縁の地だからこそ、なかなかいい形で本と出会う機会のないひとたちのためのオープンな場をつくることができた。本の街・神保町は最高の街ですが、非・本好きにとってはどうしたってクローズドな場所です。『これからの本屋』を書かれた北田博充さんがALPS BOOK CAMPのトークイベントでおっしゃられていたように、本屋は(売上=客数×客単価、の客単価を上げるだけでなく)来店客数を増やしていくこと、つまり本屋に、本そのものにアクセスするひとを増やしていくことが大切だ、と。とはいえ、形式としての本屋の敷居をまたぐことはむずかしい。となれば、こちらから近づいていく。移動式本屋で、一箱古本市で、BOOK FESで、そしてできるだけ快適な空間・環境で。

そのひとつの答えが、ALPS BOOK CAMPなんじゃないかなと思います。

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YADOKARIのさわださん、ウエスギさん、『月極本』編集長の宮下哲さんと、「なぜ、ぼくらは本を作り始めたのか」という内容でトークセッションをしたのですが、そのときの模様はYADOKARIのウェブサイト「未来住まい方会議」にて掲載される予定です。どうぞご期待ください。