リハビリ

寝違えが原因と思われる首と背中の痛みが、一晩寝ても治まらなかったので、たまりかねて整形外科へ行った。レントゲンを三方から撮ってもらったが、骨に異常なし。無駄に被曝した気持ちだが、レントゲンが人体に与える影響は限りなくわずかであると思い直す。「痛みを和らげるお薬をお出しするのと、あとリハビリをしましょう」。生まれてこの方、リハビリをしたことがないぼくは戸惑う。「首を牽引しますから」。「!?」

この整形外科には、息子の怪我(自転車の荷台に載せて二人乗りしていたら足をホイルに巻き込んでしまった一生忘れられない自らの過ち)や自分自身のしょうもない骨折(車のドアノブを開けようとしたら態勢を崩して転倒し、中指を骨折。ドアノブに中指を挟んだのが骨折の直接的な原因)のために通院したことがある。その待合室は何の変哲もない粗末な部屋なのだが、その奥には秘密の大広間があることを知っていた。老人が時折出入りするときに垣間見ることができる。壁紙や調度品がレッドブラウンのシックな色に統一され、クラシックがBGMで流れるゴージャスな空間。きっと金満老人がからだのメンテナンスのために定期的に通う場所で、じぶんのような平民には無縁だと思っていた。

背もたれのある椅子に座り、顎の下にベルトを通される。モーター音とともに機械が作動し始めると首ごと持ち上げられる。一〇秒経つとベルトが緩み、首はもとのように体で支えられる。「十五分後にまたまいりますね」。先生によると、人間の頭はボウリングの鉄球と同じぐらい重く、この細い首が(自分の首は父親に似てひとより太い)なんとか支えているので、ただでさえ負担が大きい。だから少しでも損傷があると、首はとても痛いのだ、という。

帰宅後は息子の自宅学習に付き添う。小学校のウェブサイトから「こくご」の学習のためのPDFを出力。なぞりがき。次は「せいかつ」の教科書を持って外へ。「はるのいきものをさがしにいこう」。ハルジオン、ダンゴムシは見つかったが、他のいきものはいない。代わりに見つけたのがドクダミとゼンマイだった。息子は毛虫を触ったといって不安になっていた。

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