本屋の利益

 昨日の夕方から夜にかけて、こんなツイートをした。

ぼくは出版社であるけれど傍で書店を経営し店頭に立つ(実際には座っている)者として窮地に立つ書店にとって真に助けになる3つのことを出版社に対して提案したい。①卸正味を5%以上下げる/②支払いサイトの延長/③直接取引の受付。すぐにでも検討してほしい。とりあえず時限措置でも構わない。

 非常事態宣言が発令されて、大小を問わず、多くの書店が休業を余儀なくされている。営業できている店はかえって売上が上がっているところもあると聞くが、書店は補償の対象ではなく、休業すれば支払いが滞るため、無理に営業しているところもあると推測している。オンラインストアを活用して営業するためには、上の提案、とくに①は絶対に必須なのだ。

ただでさえ20%ちょっとしか利益がないのに通販をやってAmazon対抗で送料無料にすると利益はない。いろいろ見ていると11000円以上購入で無料にしているところが多いのだが、仮に11000円売れて発送しても利益は1000円程度。発送資材、人件費など込みで考えたらほぼ赤字。

詳しく計算すると、売上 11000円×利益率 22% – 送料 810〜1350円 = 1070〜1610円。発送資材は段ボールやらプチプチで100円ぐらいかかると下手すると1000円切る。こんな商売でいいわけがない。

「書店がオンラインショップ経由で書籍を販売し、購入代金11000円以上で送料無料にした場合、利益はマイナスです。発送にかかる人件費や振込手数料を含めていません。利益をちゃんとだそうと思ったら諸経費を負担してくれる読者の「善意」に頼るしかない。それじゃおかしい。」

 もともと時代に合っていない本屋の利益構造は、コロナ禍によってますます狂っている。なぜなら、オンラインショップで本を売ると、ただでさえ少ない粗利を、クレジットカード手数料やらECサイト運営手数料だとか送料だとか、発送資材などで利益をガシガシ持っていかれるのだ。読者がAmazonではなく本屋を選んでたくさん買ってもらえれば済む問題ではなく、手数料はたいてい売上に比例した歩合で徴収される。根本的に構造が間違っているのだ。

 一方で、出版社がECサイトを送料無料で始めたことが批判されていたりもする。ぼくはそれについては構わないと思う。Amazonで買われるよりは出版社から直接買ってもらったほうがいい。でも、その前提となるのは、やはり掛率だ。何度も言うが、本屋のECはほとんど儲からない。取次経由で下げるのが無理なら、直接取引でいいので、下げてほしい。「善意」ではなく、ビジネスとしてそうしてほしいのです。