『つなみ』とインド手づくり絵本の世界トークライブ&記録映画『南インド、タラブックスの印刷工房の一日』期間限定オンライン上映

久しぶり記録映画『南インド、タラブックスの印刷工房の一日』の上映と『つなみ』のトークライブを開催します。いずれもオンラインでの配信になります。

このイベントでのチケット収入の全額を、東日本大震災の復興のために活動するNPO法人に寄付します。

 インド南部、タミル・ナードゥ州チェンナイにある出版社「タラブックス」。この出版社がつくる絵本は高く評価され、世界中の書店と読者が新作を心待ちにしている。その代表作といえば『夜の木』。バッジュ・シャームらトライバル・アーティストが書いた木にまつわる絵物語だ。その霊性に満ちた美しさは、自然由来の世界観がハンドメイドの紙と手刷りの印刷と相まって生まれている。

 その一方で、タラブックスが発行する絵本には、記憶に焼き付くような印象的な作品がある。ベンガルの絵巻物師「ポトゥア」たちとの共同作業でつくった作品群だ。その代表作『つなみ』は2004年に起きたインド洋大津波の惨害を描いたもので、ジョイデブとモエナのポトゥア夫婦が手掛けたもの。彼らの描くイメージは、ステレオタイプなものの見方に囚われがちな我々からすると、一見ヒンドゥー的世界観に彩られているように思える。しかし、刮目すればわかる。この作品は、宗教色をいっさい排し、被災地において現実に起こったできごとを組み合わせて、苦しい現実を現実のまま、“救い”の物語へと昇華している。

「奇跡の寺」が出現したマハーバリプラムのビーチにて

 このイベントでは、『つなみ』日本語版を担当した翻訳者・スラニー京子、レイアウト・矢萩多聞、編集・中岡祐介(三輪舎)がタラブックスの工房を訪れた際、同行した映像作家の山根晋が現地での制作風景を記録した映画『南インド、タラブックスの印刷工房の一日』(山根晋監督)を上映(3月10日・11日・12日の3日間限定でいつでもオンラインで鑑賞可能)。また、トークイベントでは、監督を加えた4人を横浜・京都・グラーツ(オーストリア)を繋いで、当時の様子やタラブックスの本づくり、映画のみどころ、裏話を語り合う。

概要

①映画『南インド、タラブックスの印刷工房の一日』
上映期間 2021年3月10日 (水)0:00 〜 12日(金) 23:59
※動画配信サービス「vimeo」にて上映予定

②トークライブ『つなみ』とインド手づくり絵本の世界〔ZOOMにて開催〕
日時 2021年3月12日(金)19:30〜21:00
※終了時間は少し延長する可能性があります

参加費 2000円(税込)

①②ともにURLやZOOMのIDをPeatixメッセージとご登録のメールアドレスあてに送付いたします。

プロフィール

スラニー京子
 翻訳家。1969年三重県伊勢市生まれ。ウィーン大学精神科学部言語学科修了(哲学修士)。翻訳書に『極限への挑戦者』(ラインホルト・メスナー著/東京新聞出版局)、『つなみ』(ジョイデブ&モエナ・チットロコル/三輪舎)、『ロンドン・ジャングルブック』(バッジュ・シャーム/三輪舎)など。オーストリア・グラーツ在住。

矢萩多聞
 画家・装丁家。1980年横浜市生まれ。9歳から毎年インド・ネパールを旅し、中学1年生で学校を辞め、ペン画を描きはじめる。1995年から南インドと日本を半年ごとに往復し個展を開催。2002年から本をデザインする仕事をはじめ、現在までに500冊を超える本を手がける。2012年、事務所兼自宅を京都に移転。著書に『偶然の装丁家』(晶文社)、『たもんのインドだもん』(ミシマ社)、共著に『タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』(玄光社)、『本を贈る』(三輪舎)がある。http://tamon.in

山根晋
 映像作家。1985年生まれ、映像を主たるメディアとし、土着的な事象と身体や記憶への興味に基づく作品を制作している。映像作品の近作に、台湾シャーマンとの滞在交流からインスピレーションを得て制作した「隱身瞞風」(2020)、奈良春日の杜に積層する原始宗教的な時間を掬った「春日森絵巻」(2020)など。また、企業や団体からの依頼による制作も多く受託している。神奈川県在住。https://www.shinyamane.com/

中岡祐介
 出版者、編集者。1982年茨城県生まれ。大手書店FCチェーン本部勤務を経て、2014年に出版社である三輪舎を起業。年間1〜2冊の驚異的な速度で本をつくる。編集した書籍に『本を贈る』(若松英輔ほか)、『バウルを探して〈完全版〉』など。共著に『コロナ禍日記』(植本一子ほか、タバブックス)。横浜市在住。https://3rinsha.co.jp/

『つなみ』は三輪舎のウェブサイトより購入いただけます。